

一般社団法人
三沢市観光協会 会長
月舘 学
先人記念館開館30周年にあたって
このたび三沢市斗南藩記念観光村先人記念館が開館30周年を迎えました。
これも偏に、市民の皆様をはじめ、ご来館いただきましたたくさんのお客様や関係各位のご支援・ご協力の賜物であり、施設管理者として心から感謝申し上げます。
斗南藩記念観光村と先人記念館は、この地に日本初の民間洋式牧場を開設した元斗南藩少参事・廣澤安任が残した貴重な歴史的資料や遺産を後世に伝えるとともに、併せて市北部地域の観光振興を図るため三沢市が整備し平成7年10月1日オープンいたしました。
当初は市が直接管理運営を行っておりましたが、指定管理制度の導入に伴い平成18年4月から一般社団法人三沢市観光協会が市からの指定を受け、館が所蔵する貴重な歴史的資料や遺品を管理・公開しております。
オープンから30年が経過した本年、当協会はこれを記念し「先人記念館30周年特設ホームページ」の開設と特別企画展を開催いたします。
特設ホームページでは、斗南藩記念観光村と先人記念館の概要をはじめ、施設の沿革等を紹介してまいります。
また、特別企画展は年度内に3回の開催を計画し、第1回は廣澤牧場の歴史を振り返りながら、廣澤安任から受け継がれていった廣澤牧場の功績を知っていただくことを目的に、7月13日まで開催いたしました。
7月16日から11月9日まで開催の第2回は、下級武士の生まれであった安任が公用方に任じられどのような役割を担ったのか。また、牧場を開いた後はどのような生活を送っていたのかを、歴史に残る事件や人物を紹介しながらより深く知っていただきます。
そして、11月12日からの第3回では、斗南藩記念観光村や先人記念館の過去のイベントや企画展をポスターや資料で振り返り、開館から30年が経過した今この施設の設置の意義を感じ取っていただきたいと思います。
当館はこれからも、先人たちが育んだ歴史を所蔵する資料を通じて後世に伝えて参りますので、どうか皆様には先人の遺徳に思いを馳せることで、新たな地域づくりや人づくりの一助としていただければ管理者としてこの上ない喜びであります。
市民の皆様をはじめ関係各位には、今後とも当館の運営になお一層のご支援を賜りますようお願い申し上げますとともに、記念事業の実施に当たりご協力をいただきました関係各位に対し心より御礼を申し上げ、開館30周年にあたってのご挨拶といたします。

三沢市長
小檜山 吉紀
開館30周年を祝して
三沢市斗南藩記念観光村先人記念館が開館してから30周年を迎えられましたことは、誠に喜ばしい限りであり、心からお祝い申し上げます。また、この節目を迎えるにあたり、当先人記念館の管理運営に携わられてきた三沢市観光協会の皆様をはじめ、長年にわたり地域の歴史と文化を未来へ受け継ぐべくご尽力いただいたすべての方々に、深い敬意と感謝の意を表します。
さて、古くから南部藩最大の牧場「木崎の牧」として知られた地で、明治5年に日本最初の近代洋式牧場を開牧し、その経営に尽力した廣澤安任をはじめ、地域の発展に寄与された先人の功績を後世に伝えることを目的に設置された当先人記念館は、平成7年に開館して以来、歴史資料の保存・展示だけでなく、子どもから大人まで幅広い世代が先人の功績に思いをはせ、地域の誇りを育む場としての役割を果たし、今日まで、多くの来館者がこの記念館を通じて先人の教えに触れてきたことと思います。
市としても、当先人記念館が今後も地域の誇りを育む役割を担い続けられるように管理運営の支援に努め、この先40年、50年と未来へとつながる持続可能な発展を目指してまいります。
三沢市観光協会をはじめ、運営に携わる皆さまにおかれましても、移り変わる社会情勢や時代の潮流に柔軟に対応されながら施設の管理運営にご尽力くださるとともに、工夫を凝らした魅力的な企画展等をこれからも行っていただき、歴史的資源を活かしたまちづくりに、引き続きご支援、ご協力を賜りますようお願い申し上げます。
結びに、当先人記念館が開館30周年を機に、ますます発展されますことをご期待いたしますとともに、関係各位のご健勝とご多幸をお祈り申し上げましてお祝いの言葉といたします。

三沢市議会議長
加澤 明
先人記念館開館30周年に寄せて
三沢市斗南藩記念観光村先人記念館が開館30周年を迎えられますこと、心よりお祝いを申し上げます。
また、これまで先人記念館の管理運営にご尽力された一般社団法人三沢市観光協会をはじめ関係者の皆様、先人の知恵と努力を大切に守ってきた地域住民の皆様、並びに地域の歴史を未来へ紡ぐ活動を支えてこられたすべての方々のご功績に対し、深い敬意を表します。
ここ先人記念館は、元会津藩士「廣澤安任」が明治5年(1872年)に、我が国初の民間洋式牧場を開牧した地であり、その廣澤安任の歴史を後世に伝えていくことを目的に整備された施設でございます。
平成12年には斗南藩記念観光村が「道の駅みさわ」としてリニューアルされ、三沢市の観光振興にとどまらず、子どもたちの社会教育や市民の安らぎの場としても多様な役割を果たしてまいりました。また、定期的な特別企画展の開催をはじめ、運営面でも様々な工夫を重ねられ、市内外から多くの来場者を迎えてこられました。そして、訪れる方々に三沢の誇りと温かなおもてなしを提供してこられたことと存じます。
現在、三沢市内には先人記念館をはじめ、多くの観光スポットが整備され、年間を通じて様々なイベントが行われています。今後、これらの観光資源と連携を深めることで、地域の魅力がさらに発信され、観光振興や地域活性化につながることを期待しております。
私ども市議会といたしましても、観光施策の推進は三沢市のPRや地域活性化のみならず、市民の郷土愛を育む重要な事業であると認識しており、今後ともその振興に誠心誠意取り組んでまいる所存です。どうか皆様には、なお一層のご協力を賜りますようお願い申し上げます。
結びに、先人記念館が開館30周年を機に、ますます発展されますことを心より祈念いたしますとともに、関係各位のご健勝とご多幸をお祈り申し上げ、お祝いの言葉といたします。
三沢市斗南藩記念観光村整備概要
基本計画
三沢市谷地頭にあった廣澤牧場は明治5年(1872)、元斗南藩少参事の廣澤安任(1830~1891)によって日本初の民間洋式牧場として開業をしました。
廣澤安任は、西洋諸国から種馬、種牛を輸入し日本産牛馬の品種改良を行うなど、日本近代畜産の基礎を築くとともに、地域の農業生産力を高めることに大きく貢献した人物です。
三沢市では、牧場に貴重な文献や資料、農機具などが残されていたことから、閉業によってこれらが散逸する前に何らかの対策を講ずる必要があり、また、この牧場は三沢市の近代史を語る上で端緒となるべき存在であることから、それにふさわしい環境整備がなされるべきと昭和63年度に(仮称)斗南藩記念公園整備事業基本設計を策定しました。
計画の基本的構想として、「場所の歴史性」と「農業景観」をキーワードとして整備を図ることになりました。
この「歴史性」をコンセプトに六十九種草堂の復元、(仮称)斗南藩観光村歴史記念館(現:先人記念館)の新築工事が計画され、また、「農業景観」としては、オープンフィールドの整備や針葉樹林の保全、谷地頭池などが計画されました。
さらに、これらのコンセプトだけではなく地域の環境を活かした観光拠点という観光的付加価値も加えた斗南藩記念観光施設として整備事業を行うこととなりました。
施設整備
この基本計画に基づき第1期工事として平成元年度以降、各施設の実施設計を行い、平成2年度はオープンフィールドの造成工事に着工します。平成2年3月、安任の居宅だった「六十九種草堂」の寄付を受け、翌年度に設計を行い平成4年、復元工事に着工しました。復元された居宅内は明治時代の生活の様子や、明治9年に天皇が東北巡幸をした際、随行した大久保利通が安任を訪ねた様子を人形を使って再現しています。
また、同3年度及び4年度の二ヵ年にかけ斗南藩記念観光村の拠点施設である歴史記念館新築工事(現:先人記念館)に着工したことにより計画のキーワードである「歴史性」と「農業景観」を備えた環境整備が整えられていきました。
さらに同5年度には軽食喫茶店等建設工事や植栽工事、同6年度は親子ふれあい広場整備工事、同7年度は開墾村建築工事や小動物園建築工事等を行い、大人から子供まで楽しめて、歴史に親しむことが出来る施設が完成し、構想から9年目の平成7年10月1日、「三沢市斗南藩記念観光村」としてオープンしました。
その後、同8年度はパターゴルフ場やゴーカートの整備などを行いました。
第2期工事は平成9年度から始まり、同10年度にレストラン及び生産物直売所の建設が開始されました。同17年度には拡張整備工事が本格的に実施され、同18年度には総合案内施設「くれ馬ぱ~く」の建設を開始、翌年の7月28日、観光村内のオープンフィールドを見渡せる場所にオープンしました。店内には食堂や地元農家の新鮮野菜を販売する産地直売所が設置されています。
斗南藩記念観光村 沿革
昭和63年
廣澤安平氏が8月27日元廣澤牧場の一部、約11ヘクタールの土地と資料を三沢市に寄付
平成2年
オープンフィールド造成工事(仮称)斗南藩記念公園整備事業基本設計の開始
平成3年
(仮称)歴史記念館新築工事(現:先人記念館)
平成4年
六十九種草堂の復元工事
平成5年
施設名称が公募により「斗南藩記念観光村」に決定
平成6年
親子ふれあい広場設備工事
平成7年
開墾村・小動物園建築工事
平成8年
ゴーカート・パターゴルフ場設備工事、先人記念館にて第1回企画展「歴代首長展」を開催、10月1日 斗南藩記念観光村オープン
平成10年
生産物直売所・やすらぎの駐車帯整備(青森県)
冬イベントを開催(平成11年まで)
秋イベントの開催(平成10年まで)
春イベントを開催(平成10年まで)
平成11年
やすらぎの駐車帯トイレ・休憩施設整備(青森県)
平成12年
道の駅みさわオープン、10月 地域農休祭を開催
平成14年
道の駅みさわ斗南藩記念観光村施設管理業務を三沢市観光協会に委託
平成18年
総合案内施設の建設
平成19年
7月28日 総合案内施設「くれ馬ぱ~く」オープン、先人記念館施設管理基本協定を三沢市観光協会と締結
平成21年
三沢市斗南藩記念観光村施設管理基本協定をミサワツーリストグループ(三沢市観光協会&サンアメニティ)と締結(現在まで継続)
第1回となみウインターファンタジーが開催(平成28年まで)
平成25年
先人記念館でNHK大河ドラマ「八重の桜」全国巡回展 開催
地域農休祭を継承し、ファームフェスタinとなみが開催(平成28年まで)
平成26年
先人記念館で特別企画展「新選組と廣澤安任」を開催
先人記念館で特別企画展「新島八重と斗南」を開催
平成27年
20周年特別企画展「廣澤安任・未来への挑戦と軌跡」を開催
平成28年
馬車・小動物園の営業終了
8月2日先人記念館20周年記念式典を開催
平成29年
ファームフェスタ・ウインターファンタジーを統合し、MISAWA BBQ ジャンボリーを開催(現在まで継続)
令和4年
新型コロナウイルスの流行により、1月24日から4月10日まで休館
令和6年
パターゴルフ・乗馬の営業終了
令和7年
ふれあいホース事業のオープニングとして、7月12日「馬フェス」を開催
30周年記念企画展を第1回~3回にかけて開催